全身の様々な病気
骨粗鬆症
閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。 エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。 また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周病の進行が加速されると考えられています。
多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。
閉経後の女性は本来、エストロゲンの減少により歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあり、同時に骨粗鬆症にもなりやすいと言えます。
動脈硬化症・心臓疾患・脳梗塞
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が 要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。
歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラークができ、血液の通り道は細くなります。 プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
狭心症・心筋梗塞
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。
脳梗塞
脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラ ークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。
歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われていま す。
腎臓病
糸球体腎炎が発症する原因のひとつとして、ウィルスや細菌の感染があります。糸球体腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の多くは、歯周病原性細菌など口腔内に多く存在します。
口の中の細菌が血液中に入り込んだり、歯周炎によって作り出された炎症物質が血液に入り込むことで、糸球体腎炎が発症することがあります。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。
高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。 誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。
バージャー病
Leo Buergerによって初めて報告されたことから、報告者の名前を付けてバージャー病(英語読み)、あるいはビュルガー病(ドイツ語 読み)と名付けられた病気で、閉塞性血栓血管炎と呼ばれることもあります。
四肢(腕・脚)の抹消血管に閉塞をきたす疾患で、その結果、四肢や指趾の虚血症状(組織の低酸素症状)が起こる病気です。
早産・低体重児出産
歯周病菌が出す内毒素が子宮を収縮させるホルモンと似ているため、早産や低体重児出産を引き起こすと言われています。 歯周病と診断された方は、妊娠中からの治療をお勧めします。
糖尿病
戦後10年ほどまでは、糖尿病の発症と国民のカロリー摂取量はパラレルで、相関関係がありました。 しかしその後は、カロリー摂取量が減少傾向にあるにもかかわらず、糖尿病患者は増え続けています。 あまり問題にはなっていませんが、車の販売台数と相関が見られるということです。 運動量の減少が大きな要因と言うことかも知れません。 しかしこれは、あくまでも統計上の推論です。
歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられてい ます。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
リウマチ
最近、関節リウマチと歯周病の関係が少しづつ明らかになってきています。 関節リウマチの特徴は、持続性滑膜炎による骨・関節破壊です。 本来、炎症性サイトカインは生体防御に必要な物質ですが、それが持 続的に過剰産生されると、逆に炎症を拡大再生産させてしまいます。
歯周病を治療しないと抗リウマチ薬は効果を発揮出来ないし、関節リウマチを改善しないと、歯周病も良くなりにくいということです。
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「全身歯科 ー口から始まる全身の病気ー」
WHOLE BODY DENTISTRY
マーク・A・ブレイナーDDS 著 山田勝巳 訳
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「虫歯から始まる全身の病気 ー隠されてきた歯原病の実態ー」
ジョージ・E・マイニー 著 片山恒夫 監修 恒志会 訳
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